電解加工は、ワークを陽極(+)、対向する電極を陰極(-)として、両極間に電解液を流し通電することによりバリを溶解します。(右図)
金属を機械加工した際に発生する微細なバリを電気化学的に除去します。高品質・高機能・高精密化が要求される時代の流れに適合した省力機械として、自動車業界を中心に多方面に貢献しています。
1. 電解加工の原理
電解の原理
反応式 : 6NaNO3+6H2O+6e+2Fe3+→2Fe(OH)3+6NaNO3+3H2
- NaNO3 : 電解液(硝酸ソーダ)
- Fe(OH)3 : 水酸化第二鉄(スラッジとして液中に浮遊)
- O2、H2 : 酸素、水素(電解時に水の電気分解によって発生)
2. 電解加工の特長
- ほとんどの金属に対応可能で、難削材、焼き入れ鋼なども容易に加工できます。
- 加工には、電極治具が必要です。
- 手作業でバリの取りにくい、奥深い部分や狭い部分でも、電極治具が入れば加工できます。
- 電解による溶解のため、二次バリやカエリを生じません。
- 電解時間は、一般的には10~15秒で加工ができます。
- 電解加工は、熱による素材の変質がありません。
- 同時に多数の個所の加工が、可能です。
- 電極治具は、非接触なので、通常の使用状況では、消耗はありません。
3. 電極治具
電極治具は、ワークの形状に
合わせ製作します。(概要は下図)
- 電解により溶解させるため、バリ取り部位のみ陰極を露出させます。
- 電解液を矢印に従って循環させます。
- ワークへの給電には特殊金属を使用しています。(特許)
4. 装置の特長
- 電源部、制御部、電解部、電極・治具等すべて自社製作による信頼性の高い装置をご提供します。
- 電圧・電流を電子制御しており、品質の安定を実現します。
- 電極・治具は、段取り換えが迅速に行えるカートリッジ方式になっています。
- 電源部には、高速短絡遮断機能を装備し、短絡時の電極の損傷を最小限にとどめます。
- 加工品質を安定化するため、電解液をPH調整装置(超音波洗浄機能付)にて、常時管理しています。
- 脱水装置などを装備し、電解加工により発生するスラッジを連続的に除去します。
- ブロックビルド方式の採用により、メンテナンスが容易です。